ペットと楽しく暮らす家づくり ~居場所を災害対応にする~
近年は、地震だけでなく雨の災害も増え、災害対策が見直されています。大規模災害発生時に犬猫が飼育者と共に避難する「同行避難」と「自助」「共助」「公助」というキーワードは、だいぶ広まったと思われます。同行避難対策は、徐々に社会に浸透してきているとはいえ、災害の種類や被害の大きさによっても、避難所に集まる避難者の状態が異なります。例えば、オフィス街のあるような都市部では、夜間人口に対し昼間の人口が多いなど、地域ならではの条件があるのです。避難所がその人口に対して十分ではないこともあって、地震災害では、建物の耐震性によっては、職場や自宅で一定時間待機したのちに移動するように推奨している場合もあります。
そのため、自宅内の犬猫の「隠れ家」が、避難生活の負担を減らす対策の一つとして新たに見直されています。自宅の状況によって、犬や猫達の「避難の場」が変わる、という事が考えられますので、防災対策について「避難」の形からも考え、災害にも頼りになる「隠れ家」について考えてみましょう。
これまで、災害が起きた時、あるいは豪雨などの災害が予想される時、今までは「避難所へ避難する」ことが前提でした。しかし、避難所へ避難しないという「自宅避難」、また、一時的に別々の場所に避難する「分散避難」という方法もあります。
「自宅避難」では、自宅が安全であれば、避難所に行かずに自宅で過ごして、支援物資や情報だけ避難所に受け取りに行くという避難生活となります。
「分散避難」とは、犬や猫とヒトの家族が、それぞれ安全な別々の場所で、避難生活をするものです。例えば、台風など天気予報で「予想できる災害」の場合では、避難指示解除までの短時間の避難ですむ場合もあります。そういった場合、安全な場所にある知人宅や犬の飼い主仲間、実家や親類宅に避難する、または、犬猫だけ動物病院などに預けて、飼い主はホテルに宿泊避難するといった事もあるでしょう。
停電などの一部の不具合で、自宅建物の被害が少ない場合、犬猫は自宅の安全な場所で飼育を続け、ヒトだけ避難所に入り、世話をしに自宅に通うという避難のしかたもあります。また、自宅が無事であっても、ヒトが高齢者のみの世帯であるとか、健康上の不安から避難所の方が安心であるとされた場合もありますね。このケースは、犬猫は「自宅避難」で「自宅飼育」する「分散避難」と言えるでしょう。
「自宅避難」では、自宅が安全であれば、避難所に行かずに自宅で過ごして、支援物資や情報だけ避難所に受け取りに行くという避難生活となります。
「分散避難」とは、犬や猫とヒトの家族が、それぞれ安全な別々の場所で、避難生活をするものです。例えば、台風など天気予報で「予想できる災害」の場合では、避難指示解除までの短時間の避難ですむ場合もあります。そういった場合、安全な場所にある知人宅や犬の飼い主仲間、実家や親類宅に避難する、または、犬猫だけ動物病院などに預けて、飼い主はホテルに宿泊避難するといった事もあるでしょう。
停電などの一部の不具合で、自宅建物の被害が少ない場合、犬猫は自宅の安全な場所で飼育を続け、ヒトだけ避難所に入り、世話をしに自宅に通うという避難のしかたもあります。また、自宅が無事であっても、ヒトが高齢者のみの世帯であるとか、健康上の不安から避難所の方が安心であるとされた場合もありますね。このケースは、犬猫は「自宅避難」で「自宅飼育」する「分散避難」と言えるでしょう。
猫の場合は、避難所で犬のように係留して飼育できませんし、キャリーバッグの中で長期間暮らすことは困難です。また、超大型犬や、ダックスフントのようにちょっとした刺激で吠えてしまう習性がある犬なども、避難所内で飼育することが難しいと考えられます。ですので、自宅が安全であるように対策することが、犬猫自体のストレス軽減に対しても、飼い主の精神的負担に対しても有効です。
犬や猫がいるご家庭では、「自宅避難」をできるように、住まいを耐震補強するなど、犬猫の居場所を「自宅シェルター」とできるように、間取りから考えたいですね。
この自宅内での犬猫たちの「隠れ家」が、「避難時」だけでなく「避難生活時」にも活用されるためには、ハウスやケージといった「隠れ家」のある部屋が、扉や窓などで「空間を仕切る」ことができる構造であると、自宅内の犬猫の「避難所(シェルター)」として機能するようになります。閉じられていないと、何かに驚いての飛び出しての迷子、と言う事故も起きやすいからです。
犬や猫がいるご家庭では、「自宅避難」をできるように、住まいを耐震補強するなど、犬猫の居場所を「自宅シェルター」とできるように、間取りから考えたいですね。
この自宅内での犬猫たちの「隠れ家」が、「避難時」だけでなく「避難生活時」にも活用されるためには、ハウスやケージといった「隠れ家」のある部屋が、扉や窓などで「空間を仕切る」ことができる構造であると、自宅内の犬猫の「避難所(シェルター)」として機能するようになります。閉じられていないと、何かに驚いての飛び出しての迷子、と言う事故も起きやすいからです。
「空間を仕切る」事について、自宅空間を箱として考えてみると判りやすいでしょう。(図18)「隠れ家」となる、箱状の潜り込める寝床が、一番小さい箱の①です。寝床を囲うサークルやケージで構成された「居場所(ハウス)」が2つ目の箱で②となります。「居場所」やもしくは寝床が置いてある部屋が、犬猫達が主に生活するお部屋で3番目の箱③となります。そして、自宅建物(また集合住宅であれば、その部屋)が外側の4番目の箱の④です。(図19)
「居場所」を配置した③の空間は、扉などで閉めて、他の部屋や外部にダイレクトに出られない「仕切られた空間」にできると、災害時の「自宅内シェルター」として機能します。サークルなどリビングに置かれる事が多いですが、リビングに接した部屋が③であると仕切りやすくなりお勧めです。窓ガラスは、災害時に割れたりという可能性があるので、破損しても開放とならないよう、飛散防止シートなどで対応しておきたいですが、③となる空間では特に重要です。
災害時に犬や猫が「自宅避難」するためには、寝床を「隠れ家」としておくだけでなく、その居場所を配置したお部屋の整備も重要であるということです。
住まいのちょっとした工夫が、万が一の災害時でも、犬や猫達の負担を少なくしてあげられるのですから、備えておきたいですね。
住まいのちょっとした工夫が、万が一の災害時でも、犬や猫達の負担を少なくしてあげられるのですから、備えておきたいですね。
家庭動物住環境研究家・博士(工学)・一級建築士
動物と暮らす住研究所 所長
一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房
[https://pal-design.jp/]
金巻とも子